新型コロナウイルスの拡大に伴い、自粛休業やテレワークなどを余儀なくされている事業者様も多いかと思います。
国や地方自治体から、様々な給付金や助成金、補助金が出ているので、色々と活用されているのではないでしょうか?
そんな中でも、使えるような使えない?助成金がありますので、その内容について少し解説したいと思います。
働き方改革推進支援助成金にテレワークコースというものがあります。
これは、時間外労働の改善や就業時間の多様性など様々な働き方に対応するために、テレワークを導入する中小企業事業主に対して、その導入費用の一部を助成するというものです。
※ 新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースについて
働き方改革推進支援助成金は、事前に実施計画書を提出し、交付決定後に購入などを行います。
ただし、令和2年2月17日~5月31日の期間内であれば購入後でも助成の対象とする、コロナウイルス特例のテレワークコースが存在しますが、こちらの交付申請は5月29日で終了しています。
参照:働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)
交付決定後に購入などを行う従来のコースは現在も交付申請を受け付けています。
〇 テレワーク用通信機器の導入・運用
〇 就業規則・労使協定の作成・変更
〇 労務管理者に対する研修
〇 労働者に対する研修、周知・啓発
〇 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
上記の5つが助成の対象となっています。
これだけ見ると、テレワーク用に購入するパソコンやタブレット、スマートフォンの購入費用の一部の金額を助成してもらえるように見えますが、そうではありません。
但し書きに、
※ シンクライアント端末(パソコン等)の購入費用は対象となりますが、シンクライアント以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は支給対象となりません。
とあります。
iPadなどのタブレット端末や、スマートフォンの購入費用は対象から外されているのです。
助成の対象となる通信機器は、「テレワークのために利用する機器であって、通常のオフィス内での業務には利用できない」ことが要件になっています。
タブレット端末やスマートフォンは、テレワーク以外にも使うことができ、汎用性が高いため助成の対象外となっています。
同じ理由でパソコンについても、シンクライアント端末のパソコンのみが助成対象となっており、一般的なパソコンについては汎用性が高いため助成の対象外となっているのです。
※ シンクライアント端末とは、必要最低限の機能だけを搭載したパソコンなどのことで、基本的にはそのパソコンだけでは使うことのできないものです。
サーバーに接続して使うことを前提としている端末で、画面を転送するリモートデスクトップなどを表示・操作する機能だけが搭載されています。
シンクライアント端末だけでは使うことができず、汎用性も低く、テレワーク専用のような機器のため、こちらの購入費用だけは助成の対象となるようです。
まとめると、テレワーク関係の機器でこの助成金の対象になるのは、「単独では使用できないシンクライアント端末の購入費用のみ」となります。
一般的に、テレワークを導入するとなった時に購入すると考えられる、
〇 普通のパソコン
〇 iPadなどのタブレット端末
〇 スマートフォン
は助成の対象外です。
大規模な会社であれば、会社全体でシンクライアント環境を構築して、シンクライアント端末を導入するかもしれませんが、中小企業だとそこまでせずにタブレット端末などをテレワークに使用するのが一般的ではないでしょうか…?
パソコンやタブレット端末の購入費用を助成の対象としてしまうと、テレワーク関係なく申請されてしまうという問題もあるのかもしれませんが、中小企業向けの制度で中小企業が一般的に導入すると考えられるものが助成の対象にならないのはあまりにも融通が利かないような気がしてなりませんね…
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